とある外航船員の本音

外航海運会社で機関士をしています。

大胆な長期休暇の過ごし方

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大胆な長期休暇の過ごし方

船乗りの休暇は数ヶ月もあるので,

普通の会社ではできないような体験をすることができます。

 

ほとんどの船乗りは乗船中,24時間船のことを考えています。

それゆえ,多少のやる気の差はあれど,船のことには相当詳しくなります。

その時間の濃密さは,さながら合宿のような雰囲気です。

 

そのような職場環境であるため,

後天的か先天的か,何かを極めるということに対して抵抗のない人

あるいはそれに慣れているという気質の人が多いように感じます。

いわゆる職人気質というやつでしょうか。

 

休暇中に,時間とお金と情熱を集中的に注ぎ込めるという点も大きいですね。

 

そのような背景もあり,船乗りには趣味の深い人が多い印象です。

船乗りならではの大胆な長期休暇の過ごし方を紹介します。

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中国旅行で便利なプリペイドSIMカードのレビュー

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船乗りは旅行が大好き

船乗りで「旅行が趣味」という方はかなり多いです。

 ある意味,常に旅をしているような職業ですから,

そのような行動が肌に合う人が集まっている印象です。

下船が近づくと「次はどこに旅行に行こうか」とそわそわし始める人もいますね。

 

私も例に漏れず,海外旅行によく行きます。

よく行く旅行先は中国です。

 

物理的に近いというのもありますし,

今まさに発展をしている臨場感やエネルギーを感じられるところが好きですね。

 

中国語の勉強も面白いです。 

日本人の多くは”外国語の勉強=英語の勉強”というイメージを持っていますが,

英語と中国語は言語の仕組みが全く異なるので,学習の方法もかなり変わってきます。

 

日本人には”漢字”という大いなるアドバンテージがありますから,

暗記面では英語よりだいぶ楽です。

 

個人的に,0からのスタートであれば英語より中国語のほうが日本人には簡単だと思います。

 

インターネット環境の確保

さて,外国語は海外旅行における重要な要素の一つですが, 

旅先でインターネット環境をどのように確保するのかも極めて重要です。

あえてインターネットを使わない旅行スタイルもそれはそれで楽しいですが,

ローカルな人とのやり取りであっても,インターネット環境があった方が捗る場合が多い昨今です。

例えば,LINEやWeChat,WhatsAppなどのコミュニケーションアプリがスマホにインストールしていれば現地の人と連絡先を交換して情報をやり取りすることができますね。

 

中国ではLINEが使えない

日本ではコミュニケーションツールとしてLINEを使っている人が大半かと思いますが,

中国では政府が情報を統制しているために、

LINEやGoogleなどのサービスを利用することができません。

 

VPNを利用すればアクセスすることは可能ですが,

ホテルのWi-Fiでは外出先で利用できませんし,海外ローミングは通信量が極めて高額です。

 

海外対応のWi-Fi端末をレンタルするという手段もありますが,

端末の充電が意外と面倒くさいんですよね・・・。

 

おすすめは現地のSIMカードを事前購入

私が海外旅行で進めるのは現地のSIMカードを購入することです。

現地のSIMカードといっても,多くの場合日本のAmazonで購入することができます。

 

例えば,私が中国旅行の際に利用しているのはこちらのSIMカードです。

4G高速データ通信 中国本土31省と香港で7日利用可能 プリペイドSIM

 

7日間で2GB使えますから,

メッセージのやり取りやちょっとした調べ物程度であれば十分な容量です。

値段も1300円程度ととてもリーズナブルです。

LINEやGoogleなどのサービスも日本と同じように利用できます。

中国政府の情報統制を受けることはありません。 

 

使用方法ですが,SIMカードをSIMフリーの携帯電話に挿入すれば,

あとは簡単な設定ですぐに使えるようになります。

 

ちょっとうろ覚えですが,カードを挿入したら”3gnet”を選択。

あとは海外ローミングの設定をONにするだけです。

 

 

船乗りという仕事の魅力

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船乗りという仕事の魅力

船乗り,特に外航船員という仕事の魅力について,

今回改めて記述することにしました。

 

 

世界中を股にかけて働くことができる

国際航路の船乗りというと”世界を股にかけて働く”というイメージがあるかもしれません。

現代の船乗りもそのイメージ通りと言っても過言ではありません。

昔に比べると停泊時間が短くなりましたが上陸もできます。

ある意味,ちょっとした海外旅行ですね。

 

世界一大きなモビリティ(乗り物)を動かすスケールの大きさ

船舶は世界一大きな乗り物と言えるでしょう。

大きいものとなると全長400メートル近い大きさがあります。

東京タワーよりも大きいですね。

厚みというか重厚感も相当あるので,

高層ビルをそのまま横に倒した物体が海に浮かんでいる感じです。

 

外航船員になれば若くして,この世界最大のモビリティを操ることができます。

他にはない体験ができますので,達成感や充足感のある仕事と言えます。

 

運搬する貨物のスケールも世界一

世界一大きなな乗り物ですから,運んでいる貨物のスケールも世界一です。

例えば,小麦を運ぶドライバルク船であれば,

一隻の船で食パン7000万食分の小麦を運ぶことできるそうです。

スケールが多すぎてよくわかりませんね(笑)

 

石油タンカーであれば,二隻分の石油で日本で消費される一日分の石油が賄えるそうです。

それだけの量の石油ですから,金額にしても何百億円の単位になります。

責任は非常に重大ですが,その分のやりがいも大きいです。

 

文武両道の仕事である

船乗りというと酒・タバコ・女好きで「ガハハ!」と笑っている体育会系のイメージが強いかもしれません。

このようなイメージは本当にイメージでしかありません。

 

実際の船乗りは頭脳労働と肉体労働のハイブリッドです。

航海士であれば,刻一刻と変化する気象海象や他の船舶との位置関係,海図を読み解いて操船しなければなりません。

機関士であれば,プラントという主機や発電機などの相互関係を考慮しながら,

圧力や温度に基づいて科学的な推察と経験に基づいて,

機器を安定的に運用していく技術が求められます。

 

いわゆる3Kの職場で,それだけのこと考えなければなりませんから,

文武両道の職業であると言えます。

 

お金が貯まりやすい

船乗りの給与体系ですが,

基本給に加えて,乗船中は手当がつきます。

 

その手当の金額ですが,

乗船すると手取りの金額が陸上休暇中の2倍程度になります。

 

例えば,陸上休暇中に20万円もらっているとすれば,

乗船中は40万円程度になる計算です。

 

そして乗船中は使うところがほとんどありませんから,

必然的にお金が貯まっていきます。

 

仮に,乗船前に無一文だったとしても,

半年ほど乗船すれば,下船する頃には車一台分の購入できるくらいには貯まります。

 

陸上休暇中も基本給がもらえますので,

経済的に困ることはほとんどありません。

 

現に,私の身の回りで経済的に苦労している船乗りは見たことがありません。

 

休暇が圧倒的に長い

外航船員は他の仕事と比較すると休暇の長さは圧倒的です。

例えば,6ヶ月乗船したら3ヶ月の休暇がもらえます。

 

3ヶ月という自由時間はとても強力です。

学生時代のように海外を放浪することもできますし,

新しい趣味や事業を始めることもできます。

 

私の身の回りでも趣味の深い人が多いです。 

船乗りは陸上休暇という自由時間を活かして2つの人生を歩めるのです。

 

話題性がある

初対面の人に「船乗りをしています」というと大抵質問攻めにされてしまいます。

船乗りという仕事はやはり一般的ではないのですからね。

 

「漁師なんですか?」

「貨物船ってどこに行くんですか?」

「そんなに休暇が長いんですね!すごい!」

「船の中ではどういう生活をしているんですか?」

などなど。

 

美容院など初対面の人と雑談をする場ではネタに困りません(笑)

”船乗りである”ということは,話の掴みとしてかなり強力です。

 

航海士と機関士の待遇の違い

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航海士と機関士の違い

今回は航海士と機関士の違いについて記事を書きました。

どちらも同じ船乗りですがその業務内容は全く異なります。

待遇にもどのような差があるのか,記事にしてみました。

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船乗りは運動不足?

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外航船員は船の中で生活しています。

長期間の閉鎖空間で,運動不足にならないように気をつけなければなりません。

 

閉鎖空間で働く職業に宇宙飛行士がありますが,

彼らは宇宙ステーションに滞在する時は毎日身体を鍛えるそうですね。

 

今回は船乗りの運動事情について記事にしました。

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