とある外航船員の本音

外航海運会社で機関士をしています。

大胆な長期休暇の過ごし方

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大胆な長期休暇の過ごし方

船乗りの休暇は数ヶ月もあるので,

普通の会社ではできないような体験をすることができます。

 

ほとんどの船乗りは乗船中,24時間船のことを考えています。

それゆえ,多少のやる気の差はあれど,船のことには相当詳しくなります。

その時間の濃密さは,さながら合宿のような雰囲気です。

 

そのような職場環境であるため,

後天的か先天的か,何かを極めるということに対して抵抗のない人

あるいはそれに慣れているという気質の人が多いように感じます。

いわゆる職人気質というやつでしょうか。

 

休暇中に,時間とお金と情熱を集中的に注ぎ込めるという点も大きいですね。

 

そのような背景もあり,船乗りには趣味の深い人が多い印象です。

船乗りならではの大胆な長期休暇の過ごし方を紹介します。

 

 

小型船舶操縦士の資格を取得

本業に飽き足らず,趣味でも海の世界を満喫しようとする人間が少なからずいます(笑)

筋金入りの海の男ですね。

このタイプは航海士系の方に多い印象です。

 

ヨットを購入して船乗り仲間とクルージングするという方もいます。

まるで欧米人の富豪のようなバカンスですね。

 

自家用飛行機の操縦士の資格を取得

「海を制覇したら次は空・・・」と考えるのもまた必然かもしれません。

 

自家用飛行機の免許ですが,1〜2ヶ月もあれば取得できます。

船乗りの長期休暇があれば,時間的な問題はありませんね。

費用は100〜200万円で,アメリカやカナダの学校に行くことになります。

 

私も飛行機はかなり好きな方なので,

資料を請求してパイロット留学のプランを練っています(笑)

 

回を分けて世界一周旅行

世界一周旅行をやってみたいという方は船乗りを目指すべきかもしれません。

 

旅行が好きで「世界一周をしてみたい!」と思っている人は少なくありません。

世界一周に興味はあるのに,それを実現できない理由はなんでしょうか。

 

大抵の場合,今の仕事との兼ね合いだと思います。

金銭的な問題はなんとかなりますが,

日本人の場合会社から離れるというのは非常に負荷のかかる決断です。

「何ヶ月も仕事から離れて,帰ってきた時に働き口はあるのか」という不安や周囲の反対によって旅行を断念するという方が多いと思います。

 

船乗りであれば,そのような心配は相当軽減されます。

船に乗れば数ヶ月の休暇がもらえ,お金も貯まっています。

経済的にも時間的にも自由度の高い旅行をすることが可能です。

 

さすがに一度の休暇で世界一周を満喫するのは難しいかもしれませんが,

何回かに分ければ,世界一周旅行を達成できると言っても過言ではありません。

今回はアジア,次は中東,次はアフリカ・・・という要領ですね。

 

達成すれば「海を制覇したので次は陸を制覇しました」と言えるかもしれません・・・。

 

自動車でユーラシア大陸を横断

世界一周旅行と被っていますが,

休暇中に自動車でユーラシア大陸を横断したという方もいました。

 

その方は機関士で,現地で格安の自動車を購入し,

整備や修理しながら旅行をしていたそうです。

 

仕事を趣味に活かして,

このようなユニークな体験ができるのは船乗りのならではと言えるでしょう。

 

自転車で日本一周

運動が好きな人なら,旅行も兼ねて自転車で日本を一周するのも非常に有意義だと思います。

 

各地を旅行して見聞を広めながら、

体を鍛えることができますね。

 

ロードバイクやシクロクロスなどの旅行向きの自転車は,20万円程度でそれなりのものが購入できます。

 

公園や道の駅で野宿をすれば費用面を安くできるので,

比較的チャレンジしやすい趣味かもしれません。

 

マルタに語学留学

乗船中に自分の英語力に不安を感じ,

下船休暇を活かして語学留学をしたという話もよく聞きます。

 

様々な留学先がありますが,

マルタという国が穴場として話題です。

 

マルタはイタリアの南部,地中海に浮かぶ島国で,

気候が安定しており,治安もよく,ヨーロッパのリゾート地として有名です。

 

1〜2ヶ月ほどの短期留学であれば,船乗りなら実現可能です。

休暇中の体験を本業に活かすこともでき一石二鳥といえます。