とある外航船員の本音

外航海運会社で機関士をしています。

船内でできるエクササイズとは?

f:id:adati98:20181026162920j:plain

船上でのエクササイズ

船乗りは力仕事が多いので「運動はしなくても大丈夫」と考えがちですが,

正しい健康管理のために適度なエクササイズをすることはとても重要です。

 

今回は私の周りで実際に行われていた船上でのエクササイズを紹介していきます。

 

 

ランニング

最もポピュラーなエクササイズの一つ,ランニングです。

船の上でもランニングをすることができます。

 

ジムのランニングマシンを使ってもいいですが,

外航船は大きいので甲板上でランニング可能です。

 

また船の大きさから走行距離の計算をすることができます。

例えば「1往復500mだから10往復しよう」といった具合です。

 

気軽にできるランニングですが,

甲板は海水や雨で何かと滑りやすいので注意が必要です。

「甲板で転んで怪我をして緊急下船」なんてことは本当に起こりえますからね。

怪我しなくても転ぶと死ぬほど痛いので気をつけましょう・・・。

また膝を痛めないよう,靴はクッション性の良いものを用意したほうが無難です。

 

海中転落にも注意が必要です。こちらはまず助かりません・・・。死にます。

 

 

筋トレ

船内にはジムがあり,各種筋トレ用具が完備されています。

完備と言っても長年の使用で,ボロボロになっていることがほとんどですが・・・。

 

筋トレにハマってプロテインを持参する船員も時々います。

何かと力仕事の多い船内業務ですので,

筋トレに勤しむことはとても合理的です。

 

たまに「一緒に筋トレをやろう!!」と強要してくる,

暑苦しいクルーもおりますがね・・・軽く流しておきましょう。

 

卓球

卓球台もジムに設置されていることが多いです。

比較的場所を取らないスポーツなので,大抵の船に備えられています

 

甲板上で球技をするとボールを失くしがちですが,

卓球は室内スポーツなのでボールを失くす心配がありません

 

 

懸垂

船内はぶら下がれるところが多いので,いろんな場所で懸垂ができます

 

以前乗っていた船には機関室の天井に懸垂用のバーが溶接されていました(笑)

出入港のスタンバイなどで長時間機関室で待機している時に時々やっていましたね。

 

腕力もつくので仕事でも役立ちます。

 

エアロビクス

エアロビクスは場所を取らないし,1人でも可能なのがメリットです。

10年くらい前にビリーズブートキャンプが流行りましたね。

一度だけやったことがありますが,これがかなりハード。

エアロビのデメリットは他の船員に見られるとかなり恥ずかしいことです。

以前,寄港地でその国のエアロビのDVDを買ってくる船員がいました。

ラテン系の激しめのエアロビで,それもなかなかハードだったようです。

 

プール

プールが設置されている船もあります。稀ですが。

豪華客船にあるようなものではなく,簡素で小さなプールです。

それでも360度のオーシャンビューでプールを楽しめるのは船乗りならではです。

 

プールを利用する上で気をつけるべき点は水のROB(Remain On Board)です。

大量の水を使うのでタンクにある水の量を機関士と相談しながら利用することになるでしょう。

 

エアロバイク

エアロバイクもジムに備えられていることが多いです。

映画やドラマを見ながらエクササイズすることができるので,

忙しい船内生活で時間を有効利用することができます。

 

私は個人的にエアロバイクが一番好きですね。

 

まとめ

ざっと思いつく限り列挙してみましたが,いかがでしたでしょうか。

 

少人数,省スペースなど船上生活ならではの事情を考慮して,

皆工夫してエクササイズをしています。

 

他にも「こういうのがあるよ!」などアイデアがあれば,

コメントをいただけると幸いです。

可能な限り実践していきたいと思います!