とある外航船員の本音

外航海運会社で機関士をしています。

船乗りの嗜好品

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船乗りの嗜好品に関する小話を書きました。

嗜好品は船内生活への潤いという点でとても大事です。

 

 

 

プライベートオーダー 

外航船員は長期間を船の中で過ごします。

 

長期間の航海ではどうしてもストレスが溜まりますから,

お酒やタバコなどの嗜好品でストレスを発散するのも大事です。

 

そこで現代の船舶では,

船から陸の業者に嗜好品を注文して,

寄港地で受け取るシステムがあります。

 

これをプライベートオーダーといい,ほとんどの外航船に存在するシステムです。

 

何が注文できるのか?

嗜好品だけでなく,大抵のものならプライベートオーダーで注文できてしまいます。

細かい銘柄などを限定するのは難しいですが,

石鹸,シャンプーなどの日用品もありますし,

軍手,靴下,作業服などの衣類もあります。

もし船の中でシャンプーやリンスが無くなっても,

プライベートオーダーで注文すれば大丈夫です。

 

注文できる商品は寄港地によって若干異なります。

寄港地ならではの商品もあり,お土産の間隔で楽しめます。

 

人気の商品は?

様々な嗜好品がありますが, 一番人気なのはお酒です。

お酒が飲める人は何箱も大人買いします。

私は,各国のご当地ビールを箱買いするのが好きですね。

暑苦しい機関室で汗を流した後に飲むビールは格別です。

 

お菓子やジュースも注文することができます。

昔,タイに寄港した時にレッドブルを箱買いした機関長がいました。

曰く「Red Bullの会社はオーストリアにあるが,オリジナルはタイなんだ。いま日本で売ってるものはオリジナルよりも薄くて全然パンチが足りない」とのこと。

少し分けてもらいましたが,確かにタイのRed Bullは日本のものと比べると強力でした。

 

場所によっては日本でも買えるみたいですね。

気になる方は是非お試しください。

suzannumisaki.com

 

その他,あるあるネタ

船に乗ると痩せる人と太る人がいます。

プライベートオーダーの内容を見れば,

その人が太るのか痩せるのか,おおよそ検討がつきます(笑)

 

乗船して間もない若手船員は,大量のお菓子や飲み物を爆買いする傾向にあります。

食欲も旺盛ですし,若手は船内生活のストレスが溜まりやすいですからね。

 

下船が近い人はあまり注文しません。

余ると処理が面倒ですからね。

 

お酒に関してですが,

最近は規制が厳しくなっており, 注文できるお酒の度数が制限されている船もあります。

20度以上のお酒は一律で禁止だったり,ビールより度数の高いお酒はNGなど,制限の種類は様々です。

あまり船内環境の生活面をあまり制限してほしくないのが本音ですが,時代の流れですかね。