とある外航船員の本音

外航海運会社で機関士をしています。

船員は洋上でインターネットを使えるのか?

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船の中でインターネットは使えるのでしょうか?

家族や友人と連絡は取れるのでしょうか?

外航船の通信環境の実情について記事を書きました。

 

 

1分700円の衛星電話

船内にはインマルサットという衛星電話があり,地球上のどこからでも電話をかけることができます。

ただし通話料は非常に高額で,1分あたり700円程度かかります。

10分間話したら7,000円・・・1時間話したら42,000円もかかります。恐ろしいですね。

昔は家族と連絡する際に使われていたそうですが,

今では緊急時を除いてほとんど使われていないようです。

 

少しだけならWi-Fiが使えます!

最近は,船内でWi-Fiが使えるようになってきました。

私が乗っていた船では,ラウンジなどの公共スペースにWi-Fiのルータが設置されていました。

通信速度は遅いですが,メールやLINEなどを使うことができます。

ただし一人あたり300MB〜500MB/月の制限があります。

小さな画像くらいは送受信できますが,Youtubeで動画を見ることはほとんどできません。 

 

容量無制限の船も登場

一人あたり300MB〜500MB/月の容量制限があると上述しましたが,

最近では通信容量が無制限の船も増えてきました。

現代人にネットは必需品ですからね。

船内環境の改善によって,若手船員の確保を狙っているのかもしれません。

 

世界中の国々で使えるグローバルSIM

世界中の国々で使用できるグローバルSIMを使うのも一つの手です。

MightySIM【データ専用グローバルSIMカード】【世界100カ国以上対応、完全プリペイド】

大洋航海中は使うことはできませんが,

港や沿岸部にいるときはインターネットを使うことができます。

従量課金制なので海外ローミングのように法外な料金を請求されることがないので安心です。

数日間の海外旅行でも重宝しそうです。

 

船にSIMカードを売りにくる人がいる

寄港地で現地のSIMカードを売りに来る人がいます。

3GB/1000円くらいの相場です。

ただ,寄港する期間は大抵1〜2日間ですから,3GBも使い切るのは結構たいへんです。

 

船員は日本やフィリピンの沿岸部で携帯電話をいじりだす

日本が近づくと普段使っている携帯電話の電波が入るので,

皆暇さえあれば携帯電話をいじるようになります。

 

フィリピン人クルーの場合,フィリピン沿岸でこの現象が見られます。

仕事をサボって携帯電話をいじっていると上長に怒られますから気をつけないといけません笑

 

auの海外ローミング1000円定額プランが強い

やや具体的な話ですが,auには海外ローミングが1日あたり1000円で使い放題のプランがあります。

このプランを使って寄港地毎にテレビ電話をしている船員もいます。

我が子の笑顔を見ると英気が養われるそうです。

 

まとめ 

外航船の通信環境について紹介しましたが,

まとめると最低限の通信環境が整いつつあるというのが実情です。

昔と比べると家族や友人と連絡するのも簡単になったようです。

ただ,陸上と同じレベルで使えるようになるには,時間がかかりそうですね。

 

デジタルネイティブ世代が管理職に就く頃には,Youtubeなどの動画サイトもサクサク見られるようになっているかもしれません。